レバレッジが大きいとリスクも大きい
レバレッジを利かせて思惑通りに為替が動けば、利益は膨らみます。
しかし、思惑とは逆の方向に為替が動けば、損失が大きくなります。これもシミュレーションで見てみましょう。
1ドル=100円で1万ドルを買い付けたとします。レバレッジ10倍の場合、10万円の証拠金で100万円の取引です。ドル高(円安)に振れるという思惑でしたが、見込みとは逆にドル安(円高)に動いてしまいました。
すなわち1ドル=99円になってしまったのです。
100万円の投資額が99万円になってしまいました。1万円の損失です。
同じ10万円の資金でも1,000ドルの外貨預金なら、1,000円の損失(10万円9万9,000円)、すなわち1パーセントの損失でしたが、レバレッジ10倍のFXなら10パーセントの損失(マイナス1万円)になります。
慣れないうちはレバレッジを低く!
レバレッジを大きくすると、損失は膨らみます。FX取引に慣れないうちは、レバレッジを小さく抑え、慣れてくるにしたがって大きくしていきましょう。
また、思惑どおりに動く確率がより高いといえる状況になった場合、レバレッジを大きくするというやり方もあります。
変動しやすい通貨は低めのレバレッジで
なれないうちは低レバレッジでの運用をオススメしていますが、その目安は、資金にどれだけ余裕があるか、リスクを取れるかなどで変化します。一律ではなく、変動幅の大きい通貨は低レバレッジにするなど、通貨別にレバレッジを変動させるのも一つのやり方です。
追加で証拠金を入れなければならない
FXは必ず儲けられるとは限りません。損失をこうむるケースも想定しなければならないのです。為替が予想とは逆の動きをしてしまったとき、「いずれ元に戻る」としばらくガマンする手法もあります。
しかし、損失が増えて、損失額が証拠金を上回ってしまったらどうなるでしょうか。
このケースでは、このケースでは損失が証拠金を上回る前に、一定の基準を上回ったところで、多くの取引業者が「マージンコール」という警告を発します。
このとき、投資家は追加の証拠金(追証)を差し入れます。それができなければ取引が自動的に決済され、損失が確定してしまいます。
このシステムは「ロスカット(強制決済)」と呼ばれ、損失が証拠金を上回らないようにとられた措置です。
損失を証拠金以上に広げない
「ロスカット」は、レバレッジを大きくすればするほど、作業しやすくなります。わずかな値動きで損益の振れ幅が大きくなるからです。ここまで損失が大きくならないような取引を行ないたいものです。そのためにも、損切りする基準を決めておきましょう。
慣れないうちはレバレッジを小さくし、「自動転売」などの手法を使うのも手です。
マージンコール、ロスカットになる目安とは?
マージンコールの基準は取引業者によって異なりますが、おおよそ、証拠金維持率が50~70%を下回った場合に多く発せられます。このとき、追加の証拠金(追証)を差し入れなければロスカットとなり、強制的に決済が行われます。