通貨はつねに変動する
日本円をドルなど外国の通貨(外貨)に交換したり、あるいは外貨を(日本円を含む)別の外貨に交換したりする取引を、「外国為替取引」といいます。
たとえば、「日本円」を「ドル」に替えたとします。
これを「ドル買い」もしくは「円売り」といいますが、この売買取引を含め、各地で行われる膨大な取引によって、通貨の価格は刻一刻と変化しています。
テレビのニュースなどでも、「今日の東京市場は、1ドルあたり120円10銭で取引されています」などとアナウンスされますが、これが通貨の価格です。これを日本円とドルの「交換レート」といいます。
この交換レートで1ドルを売った場合、120円10銭の日本円が手に入ります。逆に1ドルを買う場合も、120円10銭の日本円が必要となります。
もし、1ドルを110円で買ったとします。その後、交換レートが変動し、1ドルが120円になったところで日本円に交換(ドル売り)した場合、差額となる10円の利益が出ます。
これを為替差益といいます。(※ここでは手数料等は考慮しません)
FXは為替差益をねらうもの
FX(外国為替証拠金取引=Foreign Exchange)は、おもにこの為替差益(キャピタルゲイン)をねらって行なう取引です。
外国の通貨に投資する別の方法としては、「外貨預金」があります。これは、高金利の外国の通貨に投資することによってインカムゲイン(利息)を利益として得るのがメインの目的としており、「利息 + 為替差益」によって利益が確定します。
インカムゲインとキャピタルゲイン、どちらが優勢?
コツコツと積み上げるインカムゲイン(利息)も無視はできませんが、FXで大きく利益を得るには、キャピタルゲイン(差益)をメインにする方が良いと思います。
為替レートは経済状況によって動く
FXは、異なる二国間の通貨を交換しますが、その為替レートはたいてい「変動相場制」となっており、日々、絶えず変化しています。
たとえば、1ドルが110円のときもあれば、120円のときもあります。一般的にこの為替レートは、各国の経済状況によって変動しますが、その国の経済状況がよくなればその国の通貨は高くなり、悪くなれば安くなる傾向にあります。
日本は1973年に、それまでの「固定相場制(1ドル360円)」から「変動相場制」へと移行しました。それ以降、円の価格・ドルの価格はつねに変動しています。日本円の価値が下がれば「円安」、価値が上がれば「円高」ということになります。
「円高」「円安」のしくみ
1ドルが110円から120円になったとします。円の数値が大きくなったから「円高」と思われるかもしれませんが、これは「円安」です。1ドルが110円から120円に値上がりした(ドル高)わけです。ドルの価値が上がったことにより、相対的に日本円の価値が下がっているのです。
1ドル=110円のとき、アメリカで1ドルの商品を購入したければ、110円で買うことができます。しかし、1ドル=120円になったならば、同じ1ドルの商品でも、120円支払わなければ買えないわけです。
円高・円安が暮らしに与える影響は?
2013~14年にかけてのアベノミクスによる「円安・ドル高」は、輸入品の価値高につながりました。輸入に多くを頼る乳製品やワインなどは、値上げが相次ぎました。逆に円高になれば、輸入品の価格は安くなります。